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日本独自の漆芸 / 線刻絵画の殿堂へ

前田伝統漆工房
  前田浩利 / 修作集-第1集 To English 


SCRATCHBOARD<MAEDA>
 
   
  イギリスのブリティッシュプロゼスボ−ド社では、スクレパ−ボ−ドと命名されておりますが、私が解りやすく日本名で、スクラツチボ−ド(削り板)と呼び始めてから、今日までこれが通称となっております。
----世界の画材----
スクレパ−ボ−ド版による修作
 
<前田浩利の線刻画>
英国のプロゼスボ−ド社の画材



スクラツチボ−ド/画材用紙
スクラツチボ−ド画は、もとよりこの特殊な紙によって描かれた技法画のことです。現在ではイギリスのブリティッシュプロゼスボ−ド社によって唯一製造されている原紙ですが、表面は白い石膏状の液を厚く塗り固め加工されており、これに黒インクを塗り、鉄ペンを使用、自在に駆使しながら様々な画法を生み出し創造していく特殊技術の世界です。鉄ペンは、独自に考案した小刀でこれを使い制作します。



漆工芸線刻画の修練に
最適な世界の画材
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スクラッチボ−ド版を
   ご紹介します。
 
磨かれた漆の鏡面に直接小刀を当てて練習するのは困難な作業です。
線描の修練に合理的な近道などありません。私の線刻画が一定の水準に達し得たとするなら、英国のスクレパ−ボ−ド紙に着目し、それによって表現を深めてきたからでしょう。
本来、ヨ−ロッパでの小口木版の技術や銅版画の直接彫りで操作するビュランの技法の線上に位置し、複雑困難な制作過程から解放され、一気に線画の造形を楽しめるために工夫された原紙です。表面は白い石膏の粉を厚く塗り固め加工されており、描く部分のみを黒く塗り小刀で削りながら白い線を浮き上がらせる技法は、漆工芸の沈金技法の類型そのものと言えます。漆の鏡面の硬さ、描き直しの利かない素材、また黒の漆面に線を刻んで現れるのも黒です。
そうした制作環境の中では、線の集積で量感や質感を描出する視覚芸術にまで到達するのは困難を極めます。
右に掲げた4枚の修作は、400点以上になる作品の中から選んで掲載したものです。
”線を極める”まではまだ長い道のりですが、漆工芸線刻絵画の領域にたどり着くまでは、この原紙での修練は続けるでしょう。
 前田浩利・記
 
スクラツチボ−ド原版に興味ある方は、大手画材屋さんにお尋ね下さい。 

 スクラッチボ−ド画
 ●修作No.1    (泰西名画/ル−ベンス)   前田浩利・刻 
 原版制作(左右35p×天地38p)
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一つの絵画技法を世に提供し、その評価を決定的にするためには、古来より誰もが知っている有名な泰西名画を題材にとる手法が用いられています。泰西名画は、主題の表現方法において完璧であり、世の誰もが心に深く生き続けている芸術遺産ですから、その名画をある技法に変えて制作表現することは、即座にその技法の真価を問われることになるのです。
その絵画のテ−マである劇的な主題をあますことなく表現できること、しかも挑戦する技法によって、新しい絵画的世界を描出しなければ意味がありません。
この「海難の図」に於いては、荒れ狂う海、怒涛の波の表現は、まさしく線刻画の領域です
海の複雑な波の勢いは、そのまま線の勢いとなつて、この絵画の主題を引き立てます。
前田浩利・記
 

 スクラッチボ−ド画
●修作No.2    (タ−ナ−の油絵) 遭難 前田浩利・刻 
 原版制作(左右41p×天地28p)
 
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線のない対象物に無理に線をはめ、造形の本質を捉えようとする作業は元々無理があるのです。しかし、私にとって造形デッサンの概念とは「線画」そのものです。
創作の対象を支えている諸要素の成り立ちは、線を引く(削る)行為のみによって成立されるのです。
線画とは、線のシステムと言えます。対象物には、すでに線が表象されているものと理解し、必然的に線が浮かび上がってくるものであって無理に線を留めるものではないのです。線の造形デッサンとは、自然に表象に現れる線による構成で理屈ではありません。無理をする線の構成では、画面が崩壊します。
この修作No.3世界遺産五箇山の村上家の場合、この対象を凝視するだけで、様々な線が浮かび上がってくるでしょう。
点描では表現出来ない線画の領域です。すぐにでも漆の鏡面に小刀を入れ、削ってみたくなります。
前田浩利・記

 スクラッチボ−ド画
●修作No.3    世界遺産 / 五箇山 村上家 前田浩利・刻 
 原版制作(左右40p×天地29p)

天正五年建築の古民家です。屋根の茅葺の流れ、古い板張りや石組みなど、全てが線で構築されていると言ってよい線画の宝庫のような古建築です。
 
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今から35年前頃の出来事ですが、地中海の海底深くから16世紀に活躍したスペインの商船が発見され引き上げられたことがありました。当時、数々の積荷から発見された中には、スペインの有名なコイン14枚があり、これは大変な歴史コインだそうです。このコインをイギリスが新しく記念として復元し新聞紙上で全世界に向け報道することになり、新しく復元されたコインの絵を私に依頼されたことがありました。この時の絵がこの作品です。400点以上ある修作の中でもユニ−クな一点です。
小刀で彫って描く絵の特徴がよく現れていると思います。
スクラッチボ−ド画は、点描でも線描でも自在に削って描くことの出来る世界で唯一の画材であることが印象ずけられたと思います。
漆工芸「沈金」の練習用素材として、また銅版画のビュラン彫りの練習台としても有効な画材となります。

まだまだ楽しい修作がありますから、時を選んで皆様に見て頂くことにします。
前田浩利・記

 スクラッチボ−ド画
●修作No.4    スペインの歴史コイン 前田浩利・刻 
 原版制作(左右25p×天地28p)

海底の砂のイメ−ジとコインのコントラストがこの絵のコンセプトです。
新聞は紙が荒く、写真版の掲載では綺麗に再現できませんから、陰影を大胆にまとめ、強く描くことによって効果を出します。
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  このシリ−ズで私は、前田浩利 / 修作集としました。
本来”習作"という文字でなければなりませんが、あえて修作というあて字を使用させていただきました。ご了承下さい。
ご質問や お尋ね等がありましたら、何でもお寄せください。
  出来るかぎりご返事のコメントを送ります。前田浩利 

               info@maeda-urushicom  宛てに。

漆工芸・沈金・色漆蒔絵・漆描画 現代細密絵画(カラースクラッチボード作品集)もご覧ください。
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