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日本独自の漆芸 / 線刻絵画の殿堂へ

 
前田伝統漆工房
漆の黒・墨の色 To English 
四千年の伝統を引き継ぐ
漆の黒・墨の色
「日本の黒をもとめて」
日本の豊かな山河は、古代より漆の樹木からその樹液を採取し、さまざまな加工を施すことによって漆工芸の源流とも云うべき平安の雅び「加飾の美」を育みました。また、山紫水明、四季の移ろいのたなびく霞の白は、日本の原風景として枯淡な墨色を生み、墨筆美を創造しました。
雪舟や等伯に代表される水墨画や又、書跡古筆の世界も「文房四宝」といわれる(墨筆硯紙)伝承文化を醸成させ、筆硯の芸術発展の起点となりました。一方「漆黒の美」といわれ、平安王朝の多彩壮麗な金銀蒔絵の美を演出する漆の黒は、日本の和風文化の象徴として華麗な漆工芸の美を育てあげます。漆の黒も、書画の墨色も造形を形成する最大の要素ですが、漆の黒面はあらゆる色彩を吸収するだけではなく光をも透き通す独特の透明感があり、さらに、対極にある白を想起するのではなくて工芸的な美のせかい「金」を知覚させる点においてもはや雅の極地といえます。繊細な光、デリケ−トな質感も“金”を光として描画しきったとき、新しい平成雅びの誕生です。

二条城二の丸御殿
堺市博物館・茶室/黄梅庵
漆工芸の加飾も筆硯の芸術も、日本を代表し和風文化を象徴する芸術として世界に類を見ないものですが、その作品の鑑賞と修練の場は、日本建築書院造りの床の間を中心とした生活の場と利休の提唱した茶の湯の空間ではぐくまれてきたものです。「素朴で簡素な贅沢」といわれ相反する感性の融合は、お客を迎える悦びともてなしの室礼(しつらい)を育んできました。日本の室礼文化の空間でこそ、和風芸術はみがかれ昇華したのです。

函館・香雪園の書院造り
日本の和風芸術を形成する
黒は松煙の煤(すす)でした。

松煙の採取

油煙の採取

型入れ

練り合わせ

膠を溶かす
古代から漆の黒も、墨の墨色もその原料は松の木を燃焼させて採取する煤(すす)から造ります。又600年前には、奈良興福寺ではじめて菜種油を原料とする油煙墨が考案され、奈良墨として名声を博します。
【墨の製法】(出典:奈良製墨組合)
墨は煤(すす)と膠と香料を合せて、よく練り木型に入れ形を整え、これを乾燥させて出来た製品です。
松煙・油煙+膠(にかわ)−練り合わせ−型入れ−乾燥−水あらい−再乾燥−仕上げ
■松煙墨=紙張り障子で囲った小屋の中央にかまどを設置し、松の木にキズをつけて出来た松やにを燃やし、その松煙(煤)を障子から拭き集めて採取します。その煤を膠液で溶解、乾燥させて造ります。■油煙墨=菜種、胡麻、椿の油等を使用して造りますが、特に菜種油が最良とされています。製法は油を入れた土器に芯をいれ灯をともし、上蓋についた煤(すす)を集めます。油煙は松煙とくらべ、粒子が細かく墨の色つやも深みがあり、光沢もあります。■膠(にかわ)は、「煮皮」と語源があり、動物の骨、皮などを煮出して出たゼラチンを固めたものです。その膠を湯で溶かしながら、集めた煤を混ぜて適度な粘りで固め、足や手でこねます。その際、膠には本来の悪臭があり、その臭いを消すために香料を入れます。香料は龍脳、梅花香などが代表的香料ですが、良墨は典雅を第一儀とし、良い芳香をもっているといわれます。■木型=墨の形は木型できまります。墨形彫刻師の技によって工芸品的名墨の誕生となります。
【黒漆の製法】
■漆工芸の黒は、さまざまな蒔絵の技術を生み育てます。華麗な蒔絵や加飾の技はまた、漆の黒を輝かせるのです。漆の木は管理栽培されています。
一年に数回キズを付け、滲みでる液を集めて生漆と精製漆にわけて保存します。黒漆の製法は精製漆に墨の原料になる油煙をまぜて作る方法と、鉄分を加えて黒漆をつくります。鉄分は「水酸化ナトリウム・硫酸第一鉄」を加えて黒漆を作りまが、現代では鉄分の方が主流となっています
             前田浩利・記

うるしの葉

うるしの採取
(出典:丹波漆の歴史)

漆工芸・沈金・色漆蒔絵・漆描画
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□ 漆工芸・沈金制作中の前田浩利 (源平の戦い