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日本独自の漆芸 / 線刻絵画の殿堂へ

前田伝統漆工房
 <参考文献> 前田浩利コレクション To English 

ル−ヴル美術館版画室の刻印
《世界の線刻画》
 
ル−ブル美術館/版画陳列室 
西洋銅版画コレクションの一部
 
輝ける不滅の西洋古典銅版画
  〈ル−ヴル美術館/版画陳列室名宝展〉
  
私見ですが−、ル−ヴル版画陳列室一万四千余点の名品の中でまず一枚を! と云われれば、この「ベルサイユ宮殿の眺望」の一品になるでしょう。1600年代初期版画を代表するこの作品の存在価値は絶対です。ルイ14世国王の儀式を9枚シリ−ズの銅版画に描いた内の2枚です。 宮殿全景を正面にしてフランス王家の紋章を戴き、 それを守るかの如く貴族諸侯の家紋を配した豪華絢爛たる作品です。版画は美の鑑賞と同時に、このように守るべき価値を共有し確認し合うこともできるのです。フランスの栄光はこの一作に結晶されているといってよい銅版画でしょう。
技法は腐蝕銅版画の素朴な荒々しさが残り、洗練されてはいませんが、厳格な精神性と優雅さを合わせもつ初期の名作です。
     
 
ベルサイユ宮殿の眺望    腐食銅版画・ビュラン彫り(43p×25.5)
作/I.シルベストル版画<1645年>

主と騎士たちの行列    腐食銅版画・ビュラン彫り(43p×28.5)
作/I.シルベストル版画<1645年>

私の定義で云えば、西洋古典銅版画とは、線画でなければなりません。アクアチント、メゾチント、ル−レットの手法で描かれるぼかしの技法を用いた作品は、古典とは呼びません。また、即興的で自在な線描のタッチ、インクの拭き取りまでも加減した銅版上の操作で描かれる作品も又、古典の領域ではありません。古典銅版画とは、16世紀初期の宗教画にみられる古版画のながれを引き継ぐ銅版画の総称です。
今、私(峰村)に、西洋銅版画の世界を論じる発想はありませんが、2500年の沈金技法の歴史から見れば、僅か200年あまりの間にフランスが成し遂げた銅版画の発達、絵画装飾の版画化への技術、多様な細密描法の進化には感動すら覚えます。
しかし、美の歴史に盛衰があるとするなら、ここに掲げた銅版画は、フランス美術院版画室が、歴史という流れに翻弄され、永劫に輝くかに見えた美の典型、微細優美な銅版画技法の始点と終焉を象徴する作品とはなったのです。
フランス・ルイ14世治下に始まり、ヨ−ロパ産業革命で、その古典銅版画の歴史に幕を引いたのです。しかし、たとえ美の規範が時代の流行と共に移ろうものであっても、版画室の名品の数々には、時代を超えた輝きを失うことはなく、文化史の慶事として光彩を放ちつずけるでしょう。

前田浩利・記 



         
 水の上を歩く聖ペテロ
作/J.オ−ドラン版画
ビュラン彫り(43p×25.5)
<1645年>
  聖アントニ−と聖母子
作/G.ロ−スレット
ビュラン彫り(42p×31)
<1647年>
 聖母子
作/B.デスノイス版画
ビュラン彫り(50p×30)
<1806年>
  ベ−ルの聖母子
作/G.レビイ
ビュラン彫り(39p×25)
<1849年>
 
     
聖母子とうさぎ
作/N.ラウギレ
ビュラン彫り(50p×39)
<1815年>


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ルイ14世の愛犬 ディアスとブロンド   ビュラン彫り(52p×38)
作/E.ウィルマン版画<1852年>

  ルイ14世の愛犬 ディアスとブロンド   ビュラン彫り(52p×38)
作/E.ウィルマン版画<1852年>

 
ルイ14世の愛犬
本作品は、古典絵画の諸要素、重量感、遠近感、生命感を象徴的に表現した風景版画の頂点といわれ、その完成度において全世界を驚嘆させた銅版画です。ル−ヴル古典銅版画の凱旋的作品といわれています。技法は腐食銅版を近景に、遠景をビュラン彫りで描きわけ、さらには針状の刀で極微な線を引き陰影を表現しています。この技法には、まさに言葉を失います。今回、同じ白黒版画に水彩で手彩色された作品をならべて皆様に見て頂きます。
 
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モナ・リザ 》   
   魂の銅版画
 フランス銅版画の栄光----
 
   モナ・リザ

フランスの最も著名な版画家の一人であるA,ブリドウの肖像版画の遺産は、この銅版画の作品をもって頂点を極めています。
芸術は高邁な人生を語るものでもなければ、善悪を論じ社会の真実をあばくことを目的とするものでもないでしょう。ひたすら一品の美しいもの、人を陶然とさせる美を創り出すことを本論とするなら、このモナリザの版画こそは、それにふさわしい美の称号を掲げなければなりません−−「永遠の美と魂の銅版画」と。 この作品を手にしたとき、わたしは言葉を失います。
フランスが成し得た最高傑作にして、まぎれもなく「ゆるぎない美の結晶」と云えるからです。 このモナリザ版画の技法とは、まさに無技巧の技巧とでも云える驚くべき感性の手技の連続です。計画され尽くした線ではなく、陰影の線描はすでに心の中に構築されており、小刀は自在に版面上を走り、削りながら軽くどこまでも即興的で且つ感覚的です。
この時代フランスに於いては、本モナリザ同様に自由闊達な技法による大作が制作されており、いわゆる中世古典銅版画時代は終焉を迎えつつありました。そして、このモナリザの作品をして近代銅版画時代の幕開けとなります。

前田浩利・記





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(52p×38)


  16世紀・フランス銅版画工房の風景
 
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今回は、ルーブルの名作銅版画コレクションの一部をご紹介しました。さらなるヨーロッパのオリジナル古銅版画の名作の数々も、時をみてご紹介させていただきます。
                 前田浩利

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